「流水柄」というのをお聞きになられてことはあるでしょうか?
縁起の良い柄のひとつで、奈良時代の文化財などが現存しています。
「悪いものを流す」という意味があり、かつては「一家に一本、流水柄のお着物」と言われる程のお柄。
文献なども参考にしながら、歴史上代表する全ての流水柄に目を通しました。
そして、流水柄だけのお着物、というのは意外と珍しいのです。が、ただ古典の流水だけではなく。当工房ではもともと流水柄を染めています。
古典の様式と、「風彩染」の技法が組み合わされば、旧きを愛した斬新な流水が出来上がることを妄想して、図案を制作していきます。
創り出したの夏だったので、タンクトップで失礼します(笑)
この図案は、どんどん出来ていきました。
参考にした歴史上の流水たちは、江戸時代の羽織柄もありました。京都発祥の400年続く琳派様式もありました。
それに加えて、どう配置するか、どう「軽やかさと重さ」を出すか。
100時間ほどかけて、完璧に感性の塊のような図案が出来上がりました。
これだけの大作をこの時間で出来たのは、普段からこの「流れ」の染を得意とするからこそでしょう。出来上がったのはまさに大海原。
うちの娘が初めて入った海になりました(笑)
この打掛を着てくださる方に、素敵な追い風「時津風」が吹き、まだ見ぬブルーオーシャンへ漕ぎ出されますように。
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