さて、両袖も終わって、いよいよ「見頃(みごろ)」と言われる胴体部分の染めになります。
実は、この時点で「花結」という名前はまだありませんでした。出来上がってきたら、すっと浮かぶのだと思っていました。
僕が染めるのは、「濡れ描き」と称される部類の染めなので、始めたら途中で止められない。袖だけ、とか、身頃だけ、とか、区切りまではやり抜かなくてはなりません。
だいたい12時間。これで完成ではなく、この後、プラスで複雑な「ぼかし染め」や、「地染め」と言われる無地の部分の染めもします。
今回は刺繍も金も入れないので、染めは、全て一人でしたものになります。(京都は基本分業制)
ただ、言うは易しで、本番は緊張する部分もあります。
で、そういうのが良いんです。
鼻歌混じりに出来る染めは、達成感も冒険もないから、いつも、今の自分より、少し難しい染めに挑戦していたい。
結婚だって、冒険だと思います。だから、大変だし、面白いんだと思います。
そして、前に、疲労で倒れた青の色打掛『海と空の出逢う場所』ほどハードにならないように、今回は工程を分けてやってます。それでも一度染め出すと、区切れて休めるまで12時間かかります。
前みたいに全工程一気にとか無茶したら、今回の図案だと、きっと20時間かかってしまうし、そもそも初日で倒れる。
濡れ描きは、自分のペースと共に、その日の湿度や気温でペースを決められてしまいます。
その日に合わせて進めていきます。夏は、加速してきますが。
そして、半分辺りで疲れてきます。生地の乾きが追っかけてくる。
と思ったら、染めながら御飯食べたら回復。なんだ、お腹すきすぎて疲れてたのね。
あと、この工程を五回。
出張までに仕上げたい。。
ちなみに朝ごはんは毎食三品ほど僕がおかず作って食べてます、ここ一週間ほど。
なんなら毎食作ってる日もありましたが。
味付けと、色あわせは同じ感覚なんで、わりと好きみたいです。
朝ごはんは王様の食事、
昼御飯は平民の食事、
夜ご飯は貧民の食事。
夜ご飯もしっかり食べるけど、朝は特に大切にしてます。
なんのはなしや。
ちゃんちゃん。
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