打掛③『几帳春爛漫』

『几帳春爛漫』の世界観のお話

この色打掛の世界観は、遠く平安時代のお姫様です。

当時はどこかに遊びに行くこともなく、多くの時間を自分の邸宅で過ごしたようです。

といっても、部屋がポツンとあるわけではなく、当時は寝殿造りという貴族の邸宅ですから、家の下に川が通り庭には池があり、木々や花も豊かな四季の移ろいを感じられる場所です。

そこで姫は、様々な遊び、教養と共に、心を注いだことがあります。

それが、恋です。この色打掛は恋の色打掛でもあります。

当時の恋は、歌で伝えました。

五・七・五・七・七の歌ですね。いきなり顔合わせをしたりするのではなく、ある日どこぞの殿方からの恋文が届きます。それに対して、気の利いた三十一文字の言葉を返すのです。

そのやり取りで、相手の人格や教養を計るわけです。

まさに自分の命運をかけた三十一文字。

ひとつの言葉にそれほどの想いをかけて伝えられるのか。言葉を大切にしようと思うエピソードです。

ちなみに、その「返歌」と呼ばれる受け答えは、一種の「ぼかし」表現とされています。

ーときつかぜーのぼかし表現は、日本人の文化に深く親しんだものなのです。

それでは今日はこの辺りにて。。☆

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP