一つ一つを積み重ねてきた工程も、いよいよ最後になります。
これまで、一つずつの完成とともに、いつも「次の行程が入る余地」を残しながら進めて参りました。
そうして工程を増やすごとに、「生まれ変わっていく」ような激変があります。
「金彩友禅」以降は専門の職人に任せるので、だからこそ、出来上がるまではドキドキして待ちます。
そして、この刺繍。いつも花嫁衣裳をたくさん制作している職人さんが、
「こんな色打掛は見たことがない。刺繍も、そりゃあ、貴方が仰るように、レーヨンは使えませんね、正絹じゃないと。白も色々あるんです、例えば。。。」
と、数本一束の糸をみるだけでは分からないことを色々と教えて頂き、私のイメージを具現化するにはこうだと、断言。その頼もしいお言葉に、細かい指定はその方の提案をすべて聞き、素直に待つことにしました。
そうして出来上がったのがこちら。完璧に出来上がりました。
刺繍が入ることで、ここまで生まれ変わるのかというくらいの変化。
そして、この刺繍が、ものすごく繊細で、光沢が美しいのに優しい。深みのある白なんですね。
「本来は、打掛の刺繍っていえばこっちの色を使うんですわ」と言われていた色だと白すぎるとのことでしたが、すごく納得。私も良い経験になりました。
そうして縫い上げられた色打掛。
この風と出逢ってくださる方が、幸せになられますように。
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