打掛①『風模様百花繚乱』

③この世で一番色数の多い打掛

色を創る。そんな当たり前の作業も、色数がここまでなると、かなりの時間がかかります。

その数なんと170色。おそらく、日本一の多色遣いです。(一般的な打掛は20色~40色ほどです。)

昔、絵や漫画を描いていたころ、(『週刊少年ジャンプ』で入賞したことがあります)思っていたことがあります。

「色に清濁はあれど、みな美しい。」

ただ美しくない色合わせがあるだけで、色はすべて美しい、と。

でも、不思議なもので、変わりました。

それがお着物の色となると、「輝いている色」が存在するんです。それが分かるのが、着物目線の色合わせになっているということなのかもしれません。

色はすべて目分量、手作業で行います。

色が多すぎて、完成形をイメージするのがとても難しいです。けど、それをしなくては色は決められません。

また、170色すべてを「ぼかし染め」として描いていきますから、生まれる色はゆうに400色を超えます

べた塗りの柄とは深みが変わるわけですが、その情緒こそ、日本の表現の本来のものです。

「お祝いの色をたくさん使おう。」そう思うと、渋めの色目がいつもより少なく、色のバランスを取るのは難しかったりもしました。

「これをレンタルして着てくださる方が、幸せになりますように。

心澄み切った日になりますように。」

そんな想いは、色づくりにも表れてきます。

一か月後、上の図案はこのようになりました☆

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